なぜ「客先常駐の開発SE」から「院内SE」へ転職したのか

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はじめに

新卒で中小企業のソフトウェア開発会社に入社し、数年間「客先常駐の開発SE」として働いていました。現在は「院内SE」として病院の情報システムを担当しています。
本記事では、私がどのような理由で院内SEを選んだのか、その背景や転職のきっかけをお伝えし、同じようにモヤモヤを抱えるITエンジニアの参考になれば幸いです。


客先常駐で感じた「存在意義の欠如」

新人研修を終えると、私はすぐに客先常駐プロジェクトに配属されました。数名のチームで常駐してはいたものの、いわば「借り住まい」のような立場で、自分の居場所や立ち位置を見失いがちでした。

  • 自社への帰社機会が月1回ほど
    → 帰社日に顔を合わせるのは久しぶりの同僚ばかりで、会話もぎこちなく感じる
  • 客先プロパー同士の会話に入りづらい
    → 社内ルールや雑談に置いていかれ、疎外感を覚える

こうした経験から、「自分は何のためにここにいるのだろう?」という孤独感と虚脱感が募っていきました。

客先常駐の開発で感じた「やりがいの欠落」

客先常駐の現場では、私が作ったシステムを使うエンドユーザーと接点を持つ機会はほとんどありません。たとえば、客先を「A社」とすると、私たちが触るのはあくまでA社の製品であり、実際のユーザーからのフィードバックは届きません。

例えるなら、誰のために作っているのか分からない料理を振る舞い、味の感想すら聞けないような状態です。料理人は「おいしかった」という声を聞けなければ、次に何をどう改善すればいいのか分からず、モチベーションを保ちにくいでしょう。

同様に、ユーザーの反応が見えない開発では、自分の仕事がどれだけ世の中を良くしているのか実感できず、やりがいを感じにくくなっていました。

“技術力”と単価のギャップに感じた違和感

数年働くうちに、自社の利益構造にも目が向くようになりました。そこで痛感したのが、“単価は技術力ではなく所属企業の規模で決まる”という現実です。

  • 同じような作業でも、大手SIerのほうが単価が高い
  • 会社が利益を増やすには、単価の安いエンジニアを雇うのが手っ取り早い
  • 自分がいくら技術を磨いても、単価には反映されづらい

この仕組みに「技術を磨く意味があるのか?」という虚しさを覚え、モチベーションが低下していきました。

院内SEに転身して見えた“リアル”

現状を変えたいと思い、転職エージェントを利用して転職活動を開始。社内SEや自社開発企業も検討しましたが、そこで目に留まったのが「院内SE」の求人でした。

決め手は“直接感謝される環境”

医療現場ではITに詳しくないスタッフが多く、自分の知識や技術で“困っている人を助けられる”と感じたからです。

実際に転職すると、電子カルテや院内ネットワークの運用・保守というメインの仕事以外にも

  • Word/Excel操作のサポート
  • プリンタや周辺機器のトラブル対応

など、仕事内容は多岐にわたります。些細なトラブルでも解決できたときには必ず感謝の言葉をいただき、「自分は何のためにここにいるのか」「誰のために働いているのか」といった疑問が徐々に解消されていきました。

これから院内SEを目指すあなたへ

もちろん、院内SEにも大変なことはあります。しかし、

  • 直接役立っている実感
  • 利用者の声を聞きながら改善できる喜び
  • 病院運営に直結する“生きたIT”の実践

といった醍醐味は、客先常駐では得られなかったものです。もし「帰属意識」や「やりがい」を感じづらいとモヤモヤしているなら、院内SEへの転職は有力な選択肢になるはずです。

まとめ

  1. 客先常駐で失った「帰属意識」「やりがい」「自己成長の実感」 を院内SEで取り戻した
  2. 直接感謝され、フィードバックを得ながら働ける環境 が大きな魅力
  3. 「誰のために、何のために働くのか」を大切にしたいエンジニアにこそ、院内SEをおすすめしたい

本記事が、転職で悩むITエンジニアの一助となれば幸いです。

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